概要
このページでは逆算の考え方とマイルストーンを示します。
自動逆算ツールは、審査機関・自治体による差が大きく、仕様上の誤解を招く可能性があるため設置していません。
主な区切り(マイルストーン)
| いつ | 何をするか | だれが中心か |
|---|---|---|
| 希望日の85〜100日前 | 申請用図面一式送付 | 意匠/設備 |
| 希望日の45〜60日前 | 省エネ適判を提出(省略・簡略の可否を確認) | 申請 |
| 通知書の取得 | 適合の通知を受け取り、確認申請に添付 | 申請 |
※希望日は確認済証の発行希望日
⏱省エネ適判
最初の指摘が来るまで:1〜2ヶ月
全体:2〜3ヶ月(規模や提出先の込み具合による)
⏱CASBEE
届出:約2か月
評価認証:約3〜3.5か月
変更が出た場合
まずはどのルート(A/B/C)に当てはまるか、順に確認します。
手順(かんたんフロー)
1)良くなる変更または影響なしですか?
→ はい:ルートA
2)変更前の建物が基準より10%以上よい(目安:BEI≤0.90、※「その他一次エネ」を除く)うえで、下の小さな範囲の変更ですか?
→ はい:ルートB
3)上記以外だが、再計算しても適合が明らかですか?(※後述のC対象外に当てはまらないこと)
→ はい:ルートC
→ いいえ:計画変更(再申請) を検討
各ルートの要件(要点)
ルートA(良くなる/影響なし)
- 建物の高さ・外周長が減る
- 外壁・屋根・外気に接する床の面積が減る
- 空調等の効率が下がらない/損失が増えない変更(制御方法の変更を含む)
- 省エネ設備の新設・増設
ルートB(基準より10%以上よい建物に限り、小幅な低下まで許容)
事前条件:変更前の設計一次エネルギー消費量(※「その他一次エネ」を除く)が基準より10%以上少ない
小幅な変更の上限(他の項目は悪化させないこと)目安:
- 外皮・窓:平均U値/窓の平均ηの+5%以内の増加(または減少)
- 空調(熱源):平均効率の-10%以内の低下
- 換気:送風機電動機出力+10%以内/(駐車場・厨房に限り)対象床面積+5%以内
- 照明:W/㎡(単位床面積あたり消費電力)+10%以内
- 給湯:平均効率-10%以内の低下
- 太陽光(PV):容量-2%以内/方位±30°以内/傾斜±10°以内
ルートC(再計算で適合が明らか)
再計算により省エネ基準に適合が明らかであればC。ただし、次はCの対象外(別ルートで扱う)
- 用途の変更
- 評価基準の切替(例:仕様基準↔性能基準)
- モデル建物の変更(参照モデル差替え)
- 確認方法の切替(例:BESTツール↔通常確認)
ミニチェック(提出前)
1) ルート判定(A/B/C/計画変更)
2) 必要なら再計算
3) 提出書類を整備(軽微な変更説明書・計算書、Cの場合は申請書類)
4) Cの場合は提出先へ申請
- ルート判定の根拠(数値・該当条項)が記載されている
- 他の項目が悪化していない(※ルートBの必須条件)
- 再計算の前提・プログラムVerを明記している
- 図面・機器表・計算書の整合がとれている
FAQ(建築物省エネ法|よくある質問)
Q. どんな建物が義務の対象ですか?
A. 原則として、2025年4月1日以降に着工する新築が対象です。
Q. とても小さな建物は対象ですか?
A. 床面積が10㎡以下の建物は、影響が小さいため対象外です。
Q. 用途によって対象外になることはありますか?
A. あります。居室がない、または高い開放性のため空調設備が不要とされる用途は対象外です(例:自動車車庫、常温倉庫、神社・寺院、観覧場、スケート場、プール等)。
Q. 都市計画区域外で平屋200㎡以下はどうなりますか?
A. 建築確認が省略される場合でも、省エネ基準へ適合すること自体の考え方は維持されます。適合判定手続(省エネ適判)が不要になるケースはあります。最終判断は所管窓口で確認してください。
Q. 仮設建築物は対象ですか?
A. 仮設建築物(建基法85条に基づく)は対象外です。
Q. 文化財保護や景観法で特別に守られている建物は?
A. 保存のため現状変更に制限がある建物は、適合が困難なものとして取り扱いがあります。
Q. 住宅販売のモデルルーム(プレハブ)は?
A. モデルルームは対象外です。
Q. オフグリッド(電力系統につながない)住宅は?
A. オフグリッドでも対象です。エネルギーの供給方法にかかわらず、基準への適合が求められます。
Q. 改修や修繕、模様替え(リフォーム)も対象ですか?
A. 対象外です。新築・増築・改築が対象で、修繕・模様替えは含まれません。大規模な修繕・模様替えも同様に対象外です。
Q. 設備(空調など)を入れ替えるだけでも対象になりますか?
A. 設備の更新のみは対象外です(増築・改築に該当しない限り)。
Q. 用途変更は対象ですか?
A. 用途変更だけでは対象外です。新築または増改築に該当する場合のみ対象になります。
Q. 増改築の場合、どこまでを評価しますか?
A. 増改築部分のみが原則対象です(2025年4月1日以降の工事着手から適用)。非住宅も同じ考え方です。
Q. 減築と増築を同時にする時は?
A. 増える床面積(増築部分)が評価対象です。減築部分は差し引きません。
Q. 共同住宅でEV棟だけ増築する場合は?
A. 増築部分(EV棟)だけを省エネ基準に適合させます。
Q. 省エネの審査(適合判定)と建築確認は別ですか?
A. 一体で運用されます。省エネ適合が確認できないと、確認済証が出ない取扱いです(原則)。
Q. 「審査が簡単な建築行為(仕様基準)」は現行と同じですか?
A. 仕様基準の考え方は現行と整合します。対象や詳細は所管の最新資料を確認してください。
Q. 建築確認の一部で審査が省略される"新3号"の建築物も、省エネ適判が必要?
A. 省エネ適判は不要です。ただし、省エネ基準に適合させる必要がある点は変わりません。
Q. 設備がまだ決まっていない(スケルトン)場合は?
A. 不利にならない仮条件で計画し、図面に注記したうえで進めます。最終仕様が決まったら、軽微変更/計画変更の手続きを検討します。
Q. 住宅の増築は、どのように評価しますか?
A. Webプログラム等で増築部分を中心に評価します。既存との境界条件の扱いは手引きどおりに設定してください。
Q. 最終的な判断はどこで確認すればよいですか?
A. 自治体・確認検査機関の窓口と最新の要領・手引きで確認してください。運用や所要期間は地域差があります。
更に詳しくは 建築物省エネ法関係|改正建築物省エネ法オンライン講座 をご覧ください